目に滲みた [わたし]
あてどなく そぞろ歩く
まるで30年以上前に歩いた場所をなぞってるようだった。
仙台に来住み始めたばかりの頃 太田裕美の「赤いハイヒール」気分になり
(お国訛りが 君を無口にしたね。)
家畜の数が人口より多いすり鉢村から 東北の都の人口の多さに人酔いまで起し
かぐや姫の「あてなどないけど」のように 大衆の中の孤独を感じ 妄想孤独人恋し状態に自分自身を追いやっていた。
遥かに続く田園地帯 公園などハイカラなものは皆無であり
勾当台公園だの。
西公園だの 見ては たまげてしまっていた。
今 こうして当たり前に見えるものもあの当時の私には異次元で山一つ越えただけでこんなにすべてが変わることに
ついていけなかった。
その勾当台公園に突入
催物の準備をしているようだった。
思い出はぐるぐると巡り巡る
そして 18歳の私から今の私へと一つ一つ この瞬間に年を重ねていた。