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生きてるだけで丸儲け [2021 上る]

この駅に降りて この像を見て このようになりたかったと思う。

朝倉文夫作 三組

この像は上野駅開設75周年を記念して1958年に建てられた智・情・意のそれぞれの相を表した三体の女性像。(浅野文夫作)

いつもどおり 邪念の塊で生きてる おら

憧れたりはするけど なかなか 綺麗なあんよも聡明な顔立ちにも縁遠い

そうそう 複数の手術痕 手首や手の甲には 点滴の針の痕があり

その痕は ケロイド状になってるから 本当に生きてるだけで丸儲けの体だ。

その丸儲けの喜びの元手を作り上げてくれた母に 母がお世話になっている老人ホームにテレビ電話をして 母に取り次いでいただき誕生日当日謝意を述べた。

認知症が進んでる母が おらの謝意に対して「ありがとう」とはっきり言葉にしてくれた。

おらの涙腺は 崩壊してしまった。

先日 母が幼少の頃遊んだであろう場所の写真も撮ってきたのだが涙がこぼれて どうすることもできなかった。

この写真の他に思い出の場所であろう写真を沢山撮り 紙に焼いたのに

私は 幼い頃と同じように泣き虫で涙がこぼれると何も手付かずになってしまう。

外苑の銀杏

そんな おら まるで子供みたいだね。

齢 90を過ぎた母も 生きてるだけで丸儲け だから笑顔でいようと思う。


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